三角比の定理
三角比の定理には、正弦定理と余弦定理の2つがあります。
正弦定理
正弦定理は、三角形の内角と辺の比の関係を示す定理です。具体的には、三角形ABCにおいて、辺ABをa、辺BCをb、辺CAをcとするとき、次の式が成り立ちます。 $\frac{a}{\sin A} = \frac{b}{\sin B} = \frac{c}{\sin C}$
例題
回答と解説
上記の問題において、正弦定理を使って辺CAの長さを求めることができます。 $\frac{6}{\sin 60} = \frac{8}{\sin C}$となるため、正弦定理より、$\sin C = \frac{8 \sin 60}{6} = \frac{8 \sqrt{3}}{6} = \frac{4 \sqrt{3}}{3}$となります。 したがって、角Cの正弦値が$\frac{4 \sqrt{3}}{3}$であるため、角Cは60度となります。 すると、角A + 角C = 180度より、角Aは60度となります。 したがって、辺CAの長さを求めると、$\frac{c}{\sin 60} = \frac{6}{\sin 60}$より、c = 6となります。
三角比の定理 - 余弦定理
余弦定理とは、三角形の1辺の長さと残りの2辺の長さとの関係を示す定理のことです。
余弦定理の公式
三角形ABCの3辺がそれぞれa, b, c であり、角A の対辺がa、角B の対辺がb、角C の対辺がc であるとき、余弦定理は次のように表されます。
c^2 = a^2 + b^2 - 2ab*cosC
ここで、cは辺ABの長さ、aは辺BCの長さ、bは辺ACの長さ、Cは角ABCの大きさ(度数法)です。
余弦定理の解説
三角形ABCにおいて、辺ABの長さ(c)の二乗は、辺BCの長さ(a)の二乗と辺ACの長さ(b)の二乗の和から、2倍の辺BCと辺ACの長さの積にcosine(C)を掛けたものを引いたものに等しいという関係が成り立ちます。
この定理を用いることで、三角形のうち一辺と他の2辺の長さが分かる場合に、残りの辺の長さや角度を求めることができます。
例題
以下の三角形ABCにおいて、辺AB = 7、辺BC = 5、角C = 30度とする。辺ACの長さを求めよ。
解答・解説
余弦定理より、
c^2 = a^2 + b^2 - 2ab*cosC
を用いて解くと、
c^2 = 7^2 + 5^2 - 2*7*5*cos30
= 49 + 25 - 70*(√3)/2
= 74 - 35√3
≈ 9.43
よって、辺ACの長さは約3.07となります。